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清水義範 ゴミの定理

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清水義範 ゴミの定理


         1998年から2000年にかけて発表された短編の小説集です。リストラの話も出ているくらいですから、バブルがはじけて日本が浮上できない状況にあったのでしょう。「楽しい家族旅行」で、弟、姉、母親、父親の四者がそれぞれ思い思いにこの家族旅行のことについて書いていますが、父親がリストラされ、本当はこの旅行で家族道連れに自動車もろともに海に突っ込み、心中しようと思っていたことが述べられます。長女の腹痛で、便所を捜すうちに父親にそのような考えが吹っ飛び、最後にはリストラのことを妻に告白し、何とか二人で頑張っていこうと決意するとで、めでたく終わります。

2015年、出版界は最低の売り上げだったというのがニュースに出ていました。清水義範も何百冊も本を出していますが、印税だけで食っていけるのでしょうか?「泥江龍彦のイラン旅行」において、ツアー旅行でも自分が作家であるということが他人に知られないほどの有名でない作家ということを書いています。このことは別の旅行記にも書いています。出版業界の不振で、「有名でない作家」たちは、日本憲法のいうところ、「健康で文化的な最低限の生活」が出来ているのでしょうか?他人のことを心配するよりは自分のことを心配しろと言われそうですが、日本文化を支えている清水義範先生が食えなくて、コンビニのアルバイトをしているなんてことを想像すると、悲しくて仕方ありません。是非清水義範先生には毎年海外旅行をなさって、その土地土地の歴史を述べ、その土地土地の地勢や風俗、料理など伝えてもらいたいものであります。

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