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清水義範 ドン・キホーテの末裔

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清水義範 ドン・キホーテの末裔


      清水義範は文学界のコロッケといわれるでしょう。パスティーシュとフランス語で言っていますが、物真似のことですから、わざわざ難しいフランス語を使わなくても、文学界のコロッケと言った方がわかりやすいでしょう。これは決して清水義範を貶めたものではなく、かえって賞賛に値するものです。コロッケを見ると、物真似される本人よりはますます進化して、その本人を超えるようなものになっているからです。いまやコロッケのしぐさを見てその本人を思い出してしまうほどになっています。文学も清水義範の言うところ物真似で、それによって発展してきたと言っています。映画「男はついよ」もドン・キホーテも焼き回しに過ぎないと清水は断言しています。単に当時はやっていた騎士物語を揶揄するために書かれたドン・キホーテはドストエフスキーまで影響を与え、彼の作品カラマーゾフの兄弟の一人の人物に結実しています。文学とは悪く言えば剽窃であり、言葉を和らげれば物真似であり、大方の人間の考え方は似たりよったりしたものだということがわかります。古事記のイザナミ・イザナキとの黄泉の世界での出来事はギリシャ神話にもあります。何万キロも離れた地でも、人間の考えは伝播していくと言うことがわかります。かつては時間をかけて伝わったものが今では一瞬のうちにインターネットで伝播していきます。独創性も一瞬にして陳腐化する厳しい時代になっています。文学でも他の方面でも先頭を切って走り続けることはなみたいていのことではありません。たとえ文学が衰えたとしても、毎年何百万もの物語が創出されているでしょう。どれもこれもシェイクスピアの痕跡やドン・キホーテの痕跡を見出すことができるでしょう。肌や目の色が違っていても、ホモサピエンスとして同一種なので考えることは似通ったものになるでしょう。

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