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読書

田代和生 新・倭館


        江戸時代、対馬藩の古文書から朝鮮での倭館の有様を描いています。倭館では毎日日記をつけていて、日々の出来事を克明に書き連ねています。倭館に寅が二匹迷い込んできて、退治したという記述もあります。トラの肉を食って、硬かったという感想もあります。一人はトラに足を噛み付かれて骨まで見えていたということです。倭館の日本人男性は朝鮮人の女性とのセックスを禁じられていました。この禁を犯したら死刑になります。後に緩められて、朝鮮人女性は流刑になっています。倭館では死者が出ます。老衰や病気で死んだ人もいますが、不始末をして切腹か自死した人もいます。朝鮮人参を密輸しようとして、朝鮮人参を持ってきた朝鮮人を殺し、死体を埋めてそれが発覚したこともありました。

日本からは銀や銅などの鉱物を輸出し、朝鮮からは木綿、米、生糸などを輸入しています。どこの国にも「こすい」奴がいて、もちろん朝鮮の役人ですが、米俵から米を抜いて、その文水を含ませて、重量を変えない方策でだましたこともありました。日本もかつてアメリカに石ころをつめた缶詰を輸出していたことと同じです。朝鮮では済州島以外みかんがとれません。その済州島でもみかんがとれない時があり、その時は日本からみかんが送り届けられます。それが朝鮮国王がいる京城の城館の祭壇に飾られます。朝鮮では甘味は蜂蜜くらしかありません。日本では既に白糖があり、菓子に使っています。その菓子が朝鮮人には新鮮だったのでしょう。日本料理は味が薄いと言っていますが、菓子だけは絶賛しています。

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