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読書

田家康 気候で読み解く日本の歴史


        現在下流が増えても、大騒動が起こらないのは、日々飯を食えている、ということが、この本でよくわかります。食うものがないと、ちょっとでも気が荒いと、人は泥棒や強盗になるのです。そうでないものは餓死します。日本の騒乱の歴史を見ると、旱魃や冷夏で米が取れなくなった時に起こります。気候の変動は未だによくわかりませんが、太陽の活動の変化、地球の軌道の変化、地球の地軸のぶれ、火山の爆発、最近では人類による化石燃料の使用などが考えられています。いずれにしても食が満たされると、世の中ある程度安定するのです。腹が減るとイライラしてケンカが起こるのです。これは高貴なものであろうと下種なものであろうと変わりありません。どこの国でもそうですが、現政権を維持するためには、古代ローマ帝国の鉄則を肝に銘じる必要があります。「パンとサーカス」です。飯がたっぷり食えて気晴らしがあれば、余り文句を言う人はいなくなります。日本の戦前の5.15事件や2.26事件ももとはといえば、東北の飢饉によるものです。当時は今以上に格差が激しく、餓死したものも多く、若い娘は性従事はとして売られました。今でも貧困女子はその方面の仕事に就きますが、80年前と今とでは深刻度が違うようです。これから先日本の自衛隊の青年将校が都下で決起しないような、穏やかな国であってほしいものです。

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