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田端則重 日露戦争に投資した男 ユダヤ人銀行家の日記

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田端則重 日露戦争に投資した男 ユダヤ人銀行家の日記


     ジェイコブ・シフは1847年フランクフルトで生まれています。父は株式仲買人。シフ家はロスチャイルド家とかつて一軒家で一緒に暮らしたほどの旧家です。ジェイコブは青春時代義理兄の銀行で働きましたが、18歳の時アメリカに移住します。いろいろな経緯あって投資会社のクーン・ロープ商会に入り、その最高責任者になります。ロシアでのユダヤ人に対する攻撃で、ジェイコブは日本に投資して日本に勝ちをもたらしてくれました。日本政府がお礼にと、ジェイコブを招待したのです。明治天皇から直接勲章を授かっています。この旅行中の日記を翻訳したのがこの本です。

日本の祭りに出合って、「これほど規律正しい群集をみたことがない」と褒めていますが、もう一方の祭りでは、シフたちの一行を遮った神輿を誘導しようとした警官が酔っ払いに殴られるのを見たりしています。その後、ジェイコブは警察署に出向き、御礼のお金を渡そうとしましたが、受け取らなかったということで感心しています。

韓国のソウルまで行き、皇帝に会おうとしましたが、日本政府の命令で韓国の皇帝は許可無く外国の要人と会うことができなくなっていました。日露戦争前、韓国の皇族は中国になびいたり、ロシアに擦り寄ったりして、変節極まりなく、日本の利権に悖るようなことをするので、そうした処置をしたのでしょう。この頃から韓国との不和が始まり、同時にアメリカの対日政策も微妙に変化した時期でもあります。ドイツ人のベルツ博士はドイツにとってスラブ禍のほうが黄禍より緊急の問題だと言っていましたが、日露戦争で日本が勝ったことによって、アメリカに黄禍に意識が芽生え始めます。

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