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矢野誠一 にっぽん芸人伝

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矢野誠一 にっぽん芸人伝


     懐かしい名前が一杯です。それがほとんど死んでいます。私が物心ついてきたときから、ラジオやテレビで知った芸人たちがいまや大方鬼籍に入っているのです。現在活躍しているお笑いタレントはほとんど知りません。私はいま生きていますが、現在のタレントとは面識がなく、幽界に入ったタレントたちだけが私の脳の中で鮮やかに舞台に上がっています。私もある面死んだようなものです。幽界の有象無象が私を招いているようです。行きたいようでもあり、まだここに留まりたい気持ちもあります。

矢野は夏目漱石の「三四郎」からこの文章を取り出しています。

「小さんは天才である。・・・彼と時を同じゆして生きている我々は大変な仕合せである。今から少し前に生まれても小さんはきけない。少し遅れても同様だ」

矢野自身は「同時代に生きることの喜び」だと言っています。

矢野が書いていない芸人に「かしまし娘」がいます。三人の姉さんが三味線、ギターを弾き、歌も歌い、漫才もするというので大人気でありました。まだ亡くなってはいないようですが、ビートたけしが出た漫才ブームの頃から、その古さが嫌われて解散しました。最後頃は、かつてはドッと客が笑っていたところにきても、まばらな笑い声しかなく、かつては飛ぶ鳥も落とすような勢いのあったタレントが尾羽うち枯らす状態になり、人気商売は時に残酷なものだと感じ入った次第です。

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