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稲垣栄洋 弱者の戦略

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稲垣栄洋 弱者の戦略


     自然は力が強いものだけが生き残るということはありません。そうだとしたらアフリカ大陸でシマウマはいなくなっているはずです。私の店もそうです。小さな店ですが何とか続いています。弱肉強食の世界であっても、弱いものでも生き残れる方法はあるのです。その一つが「ずらす」ということがあります。らくだのように砂漠でも生きられる能力を身につけることです。砂漠では肉食獣の天敵はいないのですから、水をあまり飲まなくても生きる術を身につけると砂漠は天国になります。私も歳をとって欲しいものがありませんからカネを使いません。それでなんとかもっています。また生物界で「ナンバー1」になるのは「誰にも負けない」ということではありません。「誰にもできない」ということで「ナンバー1」になれるのです。企業間でのシェアの争いはだいたい大手がそのシェアを独占します。同等程度の製品なら大手が勝っていくのです。だから弱小企業は大手と同じ物を作っていたのでは勝負になりません。アイディアでもって新しいシェアを開発し、そこに一番乗りして強者になるのか、それか強者の図体の大きさで競うのではなく、自らの身体の小ささで勝負するかです。昆虫のように図体を小さくし、「隙間」を見つけてその空間の中で繁殖するという方法もあります。

ライオンはボスのライオンを排除すると新しいボスは前のボスのライオンの子を食い殺します。かえってこうした徹底さが絶滅の危機をもたらしています。「戦わない」か、戦うが適当におさめてしまうほうが種の繁栄にはよいのです。強者の遺伝子だけが残っていくだけでは多様性が薄れていきます。ガラパコス状態になって、その島だけでしか生きられなくなってしまいます。弱い者の遺伝子も長い目で見るとある種の病原菌に強いとかいうものがあって、その種の存続に貢献するものもあるのです。

ダーウィンも言っています。

「最も強い者が生き残れるのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残れるのは、変化できるものだ」

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