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読書

荻上チキ ディズニープリンセスと幸せの法則


        初期のディズニー映画「白雪姫」「シンデレラ」、中期の「アラジン」、それに最近の「アナと雪の女王」のプリンセスの変遷を解説しています。単純に言えば、初期の白人第一主義から、中期ではその自信がぐらつき、「アナ」にいたっては障碍者であるプリンセスがカミングアウトするといった状態になっているということです。

「白雪姫」「シンデレラ」ではヨーロッパの落ちこぼれがアメリカで苦労するように、継母の象徴であるインディアンや黄色人種の日本人にいじめられますが、神の強い思いから、救済・若い王子が現れ、これらをこてんぱんにやっつけ、二人は幸せに暮らしたという、彼らにとって都合のいいストーリーです。シンデレラの炭坑堀の小人は白人にペコペコする第二次世界大戦中の中国人ともとれ、プリンスとプリンセスが幸せになると、これら小人は地位が向上していることもなく、そのまま炭坑堀のまま据え置かれています。

中期の「アラジン」では神・王子が白人から、色は有色っぽくなりましたが、顔つきは西欧人そのもので、地位も王子から泥棒に転落します。この頃は公民権運動の高まりから、「白雪姫」「シンデレラ」のような白人至上主義の明快なメッセージを込められなくなったということでしょう。白人の男性が自信をなくしたことで、白人であるプリンセスがただ待っているだけではなく、自ら行動を起こし、白人の男になってかわろうと画策した時代かもしれません。

やがて「アナ」になると、白人たちが持っている変革しがたい白人至上主義の心根を、それはそれでいいのだという居直りにも似たものになってきたというのです。「ありのままでー」と歌う雪の女王は黒人種や黄色人種が何を言おうとも、私たちは変わりはしないと高らかに歌っているということになります。差別主義者であり、他のものが何と言おうとも、それらを冷凍凍結する能力で封印し、自らの王国を維持していきたいというメッセージが込められているのだと解釈できるかもしれません。

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