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菅野俊輔 江戸の長者番付

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菅野俊輔 江戸の長者番付


     現在、働いても働いても豊かになれない人をワーキングプアと言っていますが、江戸時代ワーキングプアは下級武士だと著者は言っています。下級官僚である「御家人」の収支の円グラフを出していますが、収入が113万4000円で、借金返済が81万、もあり、宅地の一部を貸して年に32万円ほど入りますが、70万円そこそこで、両親、妻、子二人を養ってはいけません。おのずと内職に精を出します。敷地ないで花や金魚やコウロギや鈴虫を育て、それらを金に換えたりしています。よく映画などに出てくる傘張り、提灯張り、筆作り、楊枝等々手内職にがんばっています。そうは言っても、現在のワーキングプアと違うところは、土地付きの家を無償で貸与されていたのか、自分のものになっていたのかよくわかりませんが、生活の基盤がちゃんとあったことで、比較にならないかもしれません。それでは江戸の職人たちはどうかというと、大方のものは借りて住んでいましたが、日当がよく、贅沢をしなければまあまあの生活はできていたようです。それに長屋と言うセイフティネットもあり、世話好きの大家や住人がいて、家賃を溜めても即刻追い出される現在と違って、ブツブツ言われながらも何年もおられたようです。おまけに稼ぎのいい独り者であると、嫁さんを世話されて、一生独身で孤独死をするといったようなこともありません。何しろ薄い壁で区切っているので、生きているか死んでいるかはすぐわかります。何ヶ月もたって腐って死んでいたということはありません。お節介も時には嫌になるでしょうが、現在のように他人に対して無関心なのもなかなか耐え難いことでもあります。

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