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菅野稔人 金融緩和の罠

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菅野稔人 金融緩和の罠


        もはや日本は「成熟社会」なので、かつての高度成長時代のように「モノ」を買うことによって幸せを感じるという時代ではなくなっているということです。と同時に、この高度成長時代を支えた我々団塊世代は今高齢者になって、「モノ」を買う喜びはとうになくなり、ただ「カネ」そのものを追求しているので、日銀が大量にお札を刷っても、それが需要を喚起し、景気がよくなるという図式にはならないということです。高齢者は将来が不安ですから、年金をもらっても最低限の生活費は使いますが、それ以外は貯蓄に回します。集まったカネは銀行に流れますが、銀行はというと、工場などに貸さないで、国債を買うだけです。増刷されたお札は高齢者、銀行、国債と循環するだけですから、何ら国力が充実するようなものに関わってはいません。もちろん雇用など増えるわけでもなく、賃金なども押さえられたままです。このようなことをやっていると、いつか「国の突然死」がやってくると警告しています。ハイパーインフレが起こり、一万円札が紙くずになるのです。アベノミクスは金融緩和によって、従来の、「モノやサービスへの需要を」喚起するインフレを起こそうとしていますが、もはや日本は人口減少を迎え、いくら供給を起こしても、需要など起こらず、このような安易なやり方では、家電メーカーのシャープのように、消費者の思いと齟齬したものばかりを作り、倒産の憂き目にあいます。我々は気づかないといけません。「成熟社会」では「不況」が定常化している社会であると。へたにバブルを起こすと、その後遺症は予想を超えるものになる、この本では警告しています。

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