忍者ブログ

読書

藤井厳喜 アングラマネー


       多国籍企業の大方があまり税金を払っていません。アップル、グーグル、アマゾン、スターバックスなど、儲けをタックスヘイブンの国にしまいこみ、拠点のある国々には税金を払っていないのです。2004年の統計によると、アメリカの多国籍企業は儲けに対して2.3%しか税金を払っていないのです。法人税が35%なのに、たった2.3
%しか払っていないのです。これらの企業は「節税」と言っていますが、実際は「利益隠し」です。アメリカはこれに業を煮やして、スイスなどタックスヘイブンの地に対して、実名や金銭のやり取りの公開を求め、公開しないのなら、莫大な罰金を課しています。そうはいっても金持たちの圧力は強く、遅々として進んでいないようです。政治家もこれら大金持ちや大企業から政治資金をもらっているので、無碍にこれらのものを怒らすことをしていないようです。アングラマネーで典型的なものはイタリアのマフィアです。1980年代ニュースでマフィアの抗争が伝えられたものです。なにしろイタリアの首相がマフィアとズブズブなので、多くの裁判官や捜査官がマフィアに殺されました。おまけにマフィアはバチカンにも入り込み、バチカン銀行でマネーロンダリングをしていました。マフィアの親分には寄進しローマ法王と親しく会談した人もいます。なぜイタリアマフィアがこうまでも力をつけたかというと、第二次世界大戦によります。シチリア方面からアメリカ軍がマフィアの手引きのよってイタリアに進軍したからです。ムッソリーニの率いるファッシスト党はマフィアを押さえ込もうとしていました。戦後日本でもアメリカ軍や日本政府は共産党対策のためにヤクザを利用していました。イタリアでもファッシストがなくなると、左翼陣営に対抗するためにマフィアが利用されます。やがてソ連が崩壊すると、これらマフィアやヤクザの存在価値がなくなります。犯罪を職業にするこれらの人々は鬱陶しいものになります。「狡兎死して走狗煮られる」ことになりました。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R