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赤塚不二夫 赤塚不二夫 自叙伝

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赤塚不二夫 赤塚不二夫 自叙伝


         満州からの引き上げ者です。末っ子の妹が母の実家にたどり着いたとき、息を引き取ったという箇所で泣かされます。

「ここまで苦労してきたのは、ただ子供たちをどんなことが会ってもこの家までおくりとどけなければ、という必死な思いがあったからだ。その思いが叶った今、張り詰めていた気持ちの糸はプツンと切れていたか、緩んでいたのだと思う。引き揚げの途中で子供に死なれでもしたら、かあちゃんは半狂乱になったかもしれない。でもここまできて綾子に死なれたのなら、かあちゃんには自分を責めるものは何もなかったし、泣く理由も感傷ももうなかったのだろうと思う。そういう意味では、生後わずか6か月で死んだ綾子は、本当にかあちゃん思いの親孝行の妹だった、とぼくは思っている」

昭和10年代で子供時代を過ごした人はとりわけ苦労している人が多い。彼らが物心ついた頃は敗戦時期で、特に満州にいた人たちは悲惨だった。赤塚不二夫も言っています。一歩間違えれば彼も中国残留孤児になっていたかもしれないと。

平生往生という言葉があります。満州での中国人に対する態度が、敗戦時明暗を分けます。赤塚不二夫の父は匪賊相手の警察官でしたが、清廉潔白な人で、決して中国人からものを取ったり、ねだったり、受け取ったりしない人だったそうです。そのような徳で母や子供が何とか日本に帰れたのでしょう。威張りちらしていた日本人の家族は敗戦後中国人によって殺されたそうです。今の日本では戦争を経験した人は残り少なくなっています。たとえ国同士意見が違うといえども、他国に対して敬意を持って接しなくてはいけないということです。ましてや国内で少数の他国者に対して「ヘイトスピーチ」はもってのほかです。

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