忍者ブログ

読書

遠藤順子 夫の宿題

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

遠藤順子 夫の宿題


        遠藤周作の妻順子の回想録です。生涯六回の手術をし、妻順子は甲斐甲斐しく世話しています。糖尿病の数値が改善したら反対に腎臓が悪くなっているというのが医学の常識だそうですが、
A病院はそれがわからず、とうとう腹内に透析装置をつけるようになりました。A病院に対してぐちを言ったりしています。またこの装置も年寄りにはかえって負担になり、夜中5,6回も入れ替えたりするので、眠れないし、世話する順子も大変だったと書いています。延命処置を拒否していましたから、人工呼吸をはずすと5分間くらいで、安らかな顔になり、なくなったそうです。73歳です。ひとり息子の龍之介が僕の腎臓を父親にと提案しましたが、周作は、これから子供を育ていかない息子の腎臓を移植してまでも生きたくないと言い、後で妻順子に俺たちの息子の育てに間違いはなかったと言って安堵しています。

私はもっぱら「狐狸庵閑話」などの雑文を読み、シリアスな彼のメインの小説は読んではいません。はっきり言って植民地を企てるのもたちの手先だった宣教師の苦難など勝手に自分が蒔いた種であって、他所の国に入って、自分たちだけが正しくてお前ら間違っていると大そうぶって言われたくないものです。この本でも書いていますが、香港返還のとき、チャールズ皇太子が「阿片戦争の反省は?」と聞かれ、「19世紀起こったことを、20世紀に一々謝っていたらきりがない」と言っているように、キリスト教徒は自己中心的なものです。その点日本は仏教や孔子の影響で、中庸と礼節を重んじ、自重する国民性ゆえに、いまだに中国や韓国に歴史問題に反省がないと言われ続けられていますが、この際チャールズ皇太子にならって、「曽祖父や祖父のやったことを一々孫が謝ってもきりがない」と言ってみたいものであります。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R