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里中哲彦 黙って働き、笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選

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里中哲彦 黙って働き、笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選


    『兼好法師は徒然草のなかで、「欲にしたがいて、志を遂げんと思わば、百万の銭ありといふとも、しばらくも住すべからず」とつぶやいたが・・・』と書いていますが、「つぶやいた」のは兼好法師ではなく、ケチケチ男の大福長者です。里中は何か錯覚しているようです。国家が自分の欲望のために国民から際限なくカネを巻き上げるのは、よくないとまるで兼好法師が言っていたときこえます。実際はこのケチケチ大福長者がカネを貯めるには欲望に流されないで倹約すべきだと言っているのです。それに対して兼好法師は、カネがあっても使わないのなら、それは貧乏人と同じだと批判しているのです。

この本で知ったことを列記しておきましょう。

いまの韓国の大統領の父親の、「朴正煕」の日本名は「高木正夫」です。これは昭和14年に「創氏改名」によるものです。

戦時中敵性語排斥によって英語などの単語は使えなくなっていましたが、近衛文麿は、愛人の新橋の芸者に、自分のことを「パパ」と呼ばせていました。

戦時下情報局の鈴木庫三がこう言っています。

「世界の経済的に行き詰まらせた主なる原因が右のように英米人の贅沢極まりない生活にあるのですから、この点から見て、英米人は世界人類の敵だということになります。」

これに対して里中は「英米という国よりも、彼らのぜいたくな暮らしぶりが気に入らなかったようである。さらに驚くのはこうした非論理的な文章が検閲にひっかからなかったという事実である」とビックリしていますが、私にはたとえ非論理的であろうとも、アジアの後進国がこう考えざるを得ない状況でもあったのではないかと思えることしきりです。

「大和魂」で象徴されるように、日本の指導者は合理性に欠け、ただただ「念力主義」で押し通したのでこの大戦で負けたのだというのがこの本の結論です。スローガンは念力そのものにほかありません。このようなものがたくさんできるというのはその国は不幸に陥っていると考えた方がいいでしょう。今財務省が狙っているのはこの本のタイトル通りの、「黙って働き、笑って納税」ではないでしょうか。

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