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検察官ときけば、裏金問題を内部告発した三井環です。同期が彼より出世したため、その恨みで内部告発したものですが、反対に逮捕されて、検察当局から口封じをされて、刑務所に入れられました。検察庁でなくても、公務員の生きがいは他よりはやく高い地位に上がることのようです。鈴木薫も、晩年、肩たたきにあい、それならば「男が引く花道」を作ってくれとすごんで、国税庁に出向し、それを経て最高検察庁検事になり、やっと平の検事でなく退職できたということになります。本書の終わりにしみじみと言っています。検察の世界は実力のありなしには関係ないし、任官時の年齢(彼の場合は遅く32歳)、司法試験の成績順番、それ以上に出身大学が強く出世に影響するということです。彼は一ツ橋大学出で、一旦は神奈川県警にはいり、それから司法試験を受かり、回り道をしているのです。やはり出世頭は東京大学法学部で、学生時代に司法試験に受かり、22歳には検察官になっている人です。おまけに鈴木薫は特捜部から宇都宮地検に移動さられた際の送別会で、左遷されたという思いから、上司の東京地検次席検事の杯を拒否したことで黒丸を付けられたのでしょう。このような子供じみたことで、偉くなれるかどうかが変わるのですから、何とも日本の官僚の世界はせせこましくも、いじらしい世界でもあります。
鈴木薫は酒が好きで、勤務が終わる5時過ぎから庁内で酒の飲み会をやっています。毎月500円の会費ではそうそう何回も飲み会をできそうもありませんが、それにもかかわらず結構何回もやっているということは、いろいろなところからも差し入れがあったのでしょう。さすが平の検事であった鈴木薫には裏金は使えなかったでしょうけど、上司からの差し入れにはその裏金が使われていたのでしょう。これも元を正せば税金でありますから、横領ということで、三井環の言うとおりであれば、歴代の検察庁幹部も、そのおこぼれに預かった鈴木薫も刑に服し、使った金を弁済しないといけません。広島県警の8000万円の盗難事件も死んだ警察官のせいにしたのですが、県警の幹部たちが身銭を削って補填するとありましたが、実際はどうなっているのでしょうか?