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一生涯風呂に入らなかった王、ルイ14世、臭くてたまらなかったでしょう。晩年歯槽膿漏にもなっていて、よく王妃や寵妃はよく我慢したものです。飽食のために糖尿病にもなっていて、その病気の臭いも盛んに出していたことでしょう。ルイ14世は香水を浸み込ました布で体を拭くだけです。ルイ14世にはプライバシーというものはなく、朝起きて「穴あき椅子」つまりおまるに座りながら、各界の要人と会っていました。そのように育てられているので、排便をしているのを見られても恥ずかしさを感じることがなかったのでしょう。王妃は国と国との政略結婚で、子供を生み世継を作るためにあり、寵妃とは本当に気が合う女性です。ところがとんでも性格の悪い寵妃もいます。モンテスパン夫人。黒魔術を行い、ルイ14世に散々媚薬(多分精力剤でしょう)飲まさせ、これによってとうとうルイ14世は性欲が枯れてしまったということです。始めベルサイユ宮殿はルイ14世の狩りのためのちっぽけな宿のようなものでしかなったのですが、寵妃たちが増えるごとに壮大になっていきます。しかし相変わらず便所はおまる形式であったので、そこかしこに小便の水溜りができていたようです。今もパリでは市中イヌのウンコだらけですが、当時のベルサイユ宮殿の庭は人間のウンコだらけだったそうです。
鹿島茂はこの本の締めにパスカルのパンセから引用しています。
「わたしは、人間のさまざまな行動や、人が宮廷や戦場で身を晒す危険や苦しみのことを考え、かくも多くの争いや情念、大胆で、時に邪悪なものにさえなる企ては一体どこから生まれるのかと考察を巡らしたとき、人間のあらゆる不幸はたった一つのことからきているという事実を発見してしまった。人は部屋の中にじっとしたままではいられないということだ」
「ところが、私たちの不幸の原因を発見したあとで、さらに一歩踏み込んで考察を巡らし、なぜそれが不幸の原因になるのか、その理由を発見しようと努めたところ、非常に説得力のある理由を見出した。それは、私たちの宿命、すなわち、弱く、死を運命付けられた人間の条件に固有の不幸にあるのだ。それは、さらによく考えれば、なぐさめとなるようなものがまったくないほど惨めな状態なのである」
このパスカルの言葉は、コロナパンデミック下にあるわれわれの状態を表しているようです。