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C・F・V・ルーモールは日本の良寛といえるでしょう。料理屋の凝った料理とその飾り付けを毛嫌いしています。とくにフランス料理の元の素材がわからなくなるようなやり方と、過剰に香辛料を詰め込むソースに苦言を呈しています。栄養素を壊すほどの手のかかった料理は無駄だといっているのです。序文で、「ふたつのおぞましき習慣、すなわち美味崇拝と、それが落ちるところまで落ちて、いっそうの破滅をもたらす珍味崇拝を生むのです」と言っています。昨今のテレビのグルメ番組の料理は、C・F・V・ルーモールに言わせれば、「おぞましき」ものであり、タイの屋台の焼きそばの方がもっと全うな食べ物に見えてくるということになるでしょう。
C・F・V・ルーモールはパリのパンについてこのようなことを書き残しています。
「フランス人、とくにパリの住民は、白パンを膨らさせるためにハトの糞を使います。これに含まれる空気が釜の中で膨張し、生地の表面を押し上げ、そこに内部に隙間のある、おいしく消化のよい硬い外皮が焼きあがるというのです。ですが刺激の強いハトの糞を食べ続けても、健康に害がないのでしょうか。医者の意見を聞きたいものです」
焼けば病原菌は死滅するだろうけど、あのべっちゃとしたハトの糞がパンの中に入っていると思うと食べたくなくなります。
ドイツと聞けばソーセージかジャガイモ料理くらいしか思いが浮かべません。C・F・V・ルーモールは北ドイツの貴族であり、1785年生まれ、1843年に亡くなっています。メインの仕事は美術史家ということです。同じドイツ人であるショーペンハウアーと女性に関することは同じ思いがあるようです。
「料理女たちは、教養のあらゆる基本がかけています。化粧や流行に身を焦がし、ありとあらゆる愚行に夢中になる彼女たちの中に、理性的な分別など生まれるわけがありません。だれもが、いやいやながら仕事をしているのです。それでいっそう我がままになり、何を言っても、慣れた生き方から出ようとはしないのです。私は何百回となくドイツの台所女たちをよりよい道に導こうと試みましたが、無駄でした」
たぶん食い物にうるさい人は女にもうるさくなるのでしょう。