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M・R・ニミットモン・ナワラット 幻想の国

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M・R・ニミットモン・ナワラット 幻想の国


        M・R・ニミットモン・ナワラットはタイ国王の親戚でもあります。1908年生まれ、1948年、第二次世界大戦終結後1年で病死しています。タイの政変により反逆罪で刑務所に入っています。その経験がこの小説の元になっています。第二次世界大戦の前の小説でありながら、なんだか最近の小説のように思えてきます。主人公は貧乏といいながら、留学もしていて生物学位をとっている優秀な男です。付き合う女性も上流階級の女性でピアノなどひいています。タイのイメージの水牛を引っ張って農業しているという貧乏たらしいところはありません。作者は、国王の親戚筋でありますから、貧乏も観念的なもので、バンコクの屋台で焼きえびを売っているその日暮しの惨めさを微塵も感じさせません。「幻想の国」とは、その日の食べ物にありつくために汲々としているタイの大半の国民の世界とは違って、権力の中枢近くにあって、その力のやり取りの世界かと思われます。

マクドゥーガルの心理学の図形で、二つの箱が見えるかどうかで内向的か外交的がわかるという話が出ています。同じ図形から、スムーズに二つの箱を思い浮かべることが出来る人は内向的、出来にくい人は外交的といわれているという解説があります。戦前にこのようなことを知っている人は日本でも少ないでしょう。心理学的にそれが真実かどうかは知りませんが、それを記述しているということは高い教育を受けてということが分かります。

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