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塩見鮮一郎 中世の貧民 説教師と廻国芸人

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塩見鮮一郎 中世の貧民 説教師と廻国芸人


      私が小さい頃夕方遅くまで遊んでいると、よく親たちが人さらいが来るよと言って、驚かしていました。それかサーカス団に売られるよとも言われていました。昭和になっても「人さらい」という言葉が残っているということは、かつては現実にあったということになります。この本によりますと秀吉が人身売買禁止令を出したということですから、それ以前は大いに「人さらい」があったのでしょう。森鴎外の山椒大夫のなかで、安寿と厨子王丸もひどい目に会っています。中世の説教節では厨子王丸を逃した安寿を焼き鏝で額に十字焼き入れた拷問をしています。母親は足の筋を切られて、雀を追い払う案山子にされます。この本に出てくる「小栗判官」も説教節の一つです。照姫も売買され、とうとう遊郭の水汲みになります。「小栗判官」を全編通してやると、「昼過ぎから、夜の9時ごろまで」かかるそうです。昔の説教師は寺の祭りなどでこの話をして、銭をもらっていたのでしょう。やがてこれらの芸人が江戸時代になると、浪曲師や落語家になっていくのでしょう。

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