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盗賊でも鼠小僧のような人気者がイギリスの18世紀にもいたのです。ジャック・シェパード。二度も脱獄に成功し、最後には公開死刑で、民衆の喝采を浴びながら、絞首刑にあいます。齢二十歳ちょっとの小男です。今の刑法では強盗で人を殺していないのですから死刑にはならないでしょう。でも18世紀のこの時代、ものを二、三回盗むだけで死刑になっていました。未成年なんかも容赦しません。9歳の女の子も雇い主の女主人から少額のカネを盗んだということで死刑になっています。この頃ロンドンは都市化が進み、私生児が多く増え、これらが大人の食い物になっています。煙突掃除には体の小さい5歳くらいまでの子供を使用しています。風呂も入らないのですから、すすで真っ黒になり、肺をやられ早死にします。最近のインド映画にもあったように、私生児を集め、目を潰したりしてカタワにし、乞食に仕立ててカネを儲ける輩もいました。ジャック・シェパードは父も母もいましたが、離婚し、10歳過ぎたころから徒弟に出ます。酒場に出入りし悪い仲間や売春婦と出会い、やがて盗みを始めます。ジャック・シェパードの肖像画がありますが、まだ少年のようです。このようなものが鉄球がつながった鎖の足枷をはめられても、やすやすと解き、二度も脱獄して娑婆に舞い戻ったということで大人気者になったのです。三度目捕まった時は、面会者が日に何人もきたそうです。刑務所としても、面会させるためにカネを受け取るのですから、シェパード様さまであったでしょう。
浮世絵などの贋作の話かと思いましたが、これも小説でした。村で一番の大樹である楠の木をアメリカ駐留軍に伐採されないために、いい加減な作り話をしたところ、それが何拾年か経つと、敗戦直後に作ったほら話が、江戸時代以前から続く村の正当な言い伝えになったという滑稽話です。
駐留軍のキャップテンが文化人類学を学んでいて、この大木の楠にいわれがあるのだったら、切ることはしないということで、村長と助役が相談し、村の神職にほら話を書いてもらい、村一番の学者・高校の先生の退職者に重みをつけるために落款を押してもらって、説明に及んだということです。この書類が役所の書類と紛れて、何十年後かに発見され、図書館が楠のいわれをついに発見したということで、正式に郷土史にもなり、立派な本に製本されます。おまけにこのキャップテンがアメリカで文化人類学の本を出し、その中でこの楠の木の由来をも書き記しているので、二重にもこの郷土史が確認されたということで新聞にまで載ったということでますます信憑性が高くなります。
アメリカでは「コウベ牛」と称して高いゼニをとっているようです。日本からの輸出量は少ないのに、あちらこちらのレストランでステーキとして売られています。ラリー・オルムステッドも日本に来てコウベ牛はうまいと称賛していますが、少し矛盾を感じないわけにはいけません。なぜなら牛は草を食べるのが当たり前で、そういう牛こそ自然食品であるとラリー・オルムステッド自身が言っているのに、コウベ牛は霜降りの脂肪をつけさせるために高栄養の穀物を食べさしているのです。自然食品ではないのです。コウベ牛はどうか知りませんが、穀物飼料の中に抗生物質や他の動物の肉やら混ぜて食べさしているのです。ラリー・オルムステッドはこのような肉はぜったいに食わないと言っているのに、コウベ牛はうまいと言って食べているのです。
このように人口が増えると、工場で食品を作るようになり、必然的に添加物が多くなります。自然のままの食品は大金持ちしか食えないようになっているようです。オリーブ油もスーパーで売っているものはほとんど偽物です。チーズもハムも本物は工場製品のように大量にできないのです。我々貧乏人は生まれながらにして本当の味を知りません。かえって本物を食べさしたら、これはまずいというのではないでしょうか。
あとがきに、バブルの時安田生命が58億円で買ったゴッホの「ひまわり」は偽物だと書かれています。成金には成金程度のものしか集まらないような仕組みに世の中はなっているようです。本物は西洋の王族や貴族の蔵にしまわれているのでしょう。欧米のプロのいる美術館でも騙されているのですから、東の果ての日本の、たかが百年程度で金持ちになったド素人は、したたかの画商にとっては格好のカモだったのでしょう。美術館などではニセモノだとわかった時点で展示を外され、お蔵入りをするのですが、安田生命のゴッホはどうなっているのでしょうか?58億円が5万円程度になってしまうとは、気が狂ってしまいます。モナリザだってニセモノが多く出回っています。科学的分析が鑑定には必要ですが、それ以上にトマス・ホーヴィングの言うところ、長年の間本物を見て、直感を研ぎ澄ますことが必要だと言っています。
ユリ・ゲラーは日本に来て超能力のブームを巻き起こしました。私もスプーン曲げを試みたものです。うまくはいきませんでした。日本の子供でスプーン曲げをするのがいて、これが大評判になりましたが、最終的にはインチキをして曲げているのがわかり、轟々たる非難を受けていました。中学生くらいなのにそこまでも非難しないでもいいと思われるのに、マスコミはこぞってバッシングです。なんとも大人げない人ばかりです。いまだにユリ・ゲラーは超能力だと言っていますが、多分マジックの類でしょう。この本でも言っているように、心霊術・超能力とマジックは共存しつつ、相対しながら発展してきたものです。エジプトの古代遺跡の壁画にも「カップアンドボール」の手品をやっているところが載っています。古代、マジックと言う言葉は魔法という意味でもあったので、古代エジプトでは奇術というよりは、魔法だと思われたのかもしれません。17世紀、18世紀啓蒙時代になると明確にマジックという言葉の中で、魔法とトリックというものが明確に分かれてきます。交霊会が盛んな折り、奇術師たちも同じことをして、霊などいないものだと、交霊会のいんちきをあばいていたものです。交霊会が静まった後、超能力のブームです。これにはアメリカとロシアの軍事対決が関係しています。ロシアでは超能力者を集め、念力で物を動かしたり、軍事面でその能力を利用できなかという研究をしていることがわかり、急遽アメリカでも超能力の研究が始まったのです。結局テレパシーも、念力も超能力者の数々の能力も軍事面で応用するさしたるものは見つからなかったと思えます。最近そういったニュースは聞こえてきません。念力でミサイルの方向を変えるというのは無理でしょう。超能力が収まると、次に何が出てくるでしょうか?もう出ています。オレオレ詐欺と闇バイトの強盗団です。